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リラ荘殺人事件/鮎川哲也

Lilasou
『リラ荘殺人事件』/鮎川哲也
 
秩父の別荘を舞台に、芸大に通う大学生の男女7人を
次々と襲う連続殺人事件を描いたお話。
以下、推理小説については何を書いても
大なり小なりネタバレになるので注意。

大学生の中に犯人がいる!という密室前提で話が運ぶのだが、
別荘は特に鍵もかかってないから別に密室じゃないし。
最後の方でいきなり無関係の人物が登場して
「やあ! 実は僕が犯人だったんだよ。今は反省している」
とか言い出したらどうしようと不安になりながらページをめくりました。
 
警察の無能っぷりも、この作品の読みどころの一つ。
「明日になれば事件は解決しますよ」と悠々語ったり、
「もうこれ以上殺人事件など起きるはずがありませんよ」
と自信満々に宣言したり(で、当然また起きるフラグ)。

作中ではバッタバッタと人が死んでいくのですが、そのほとんどが
警察の手落ちによる人災では…と思われるところが素敵です☆
担当の刑事たちがあまりに役立たずなものだから、
最後の最後で突然、業を煮やした警部が敏腕私立探偵を召喚するし。
完全あきらめモードです。

ちなみに途中、ある人物が容疑者として逮捕されるのですが
警察がその容疑者を連れて別荘に戻ったとき、
「手錠は外さないけど別荘の敷地内を一人で自由に歩き回ってよし」
という許可を与えていて、いくらなんでもそれは油断しすぎと思いました。

ところで作者は芸大生に恨みでもあるのでは、と思うほど
大学生たちの人物描写には悪口ばかりが書き連ねられています。
とりわけ扱いがひどいのが、「尼リリス」というふざけた名前の女学生。
彼女はちょっと肉付きがよいという設定なのですが、ことあるごとに
肥った尼リリスは…」
肥ったソプラノ歌手は…」
「…は尼リリスの肥った顔に目をやった」
と、肥った肥ったといちいち記述せずにはいられない様子。
作者はなんかデブに嫌な思い出でもあるのか。
 
いろいろツッコミどころの多い作品ですが、
トリックはしっかり練られています。
ツッコミを入れつつ大変楽しく読みました。

 
 

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