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旅行2日目・昼/ムスリムの結婚式に飛び入り編

 マラッカ行きのバスチケットを予約した後、MRTのLavender駅に向かった。バスターミナルから駅までは徒歩20分ほどの距離がある。折からの暑さもあって疲れ始めていたので、駅までバスに乗ろうかとも思ったが、よく考えたら小銭がまったくない。
 
 
 タクシーに乗ろうか、とも思ったが、「そういえば、シンガポールでは流しのタクシーをつかまえることはできなくて、所定のタクシースタンドに並ばないといけないと書いてあったな…」という、観光パンフレットで得た中途半端な知識を思い出し、仕方なくとぼとぼと歩き始めた。実際には、タクシースタンドでしかタクシーを停められないのは中心部の繁華街だけで、それ以外の場所では普通に手を挙げて流しのタクシーを停めることができたのだが、正しい知識を持っていないといろいろ余計な苦労をするという好例である。
 
 
 ようやくMRTの駅に着いたはいいが、券売機で切符を買うのに少し苦労した。目的地のボタンを押しても、ウンともスンともいわないのだ。周りにいた人たち数名に聞いて、ようやく切符を買うことができた。(細かいやりとりは割愛するが、要は、思いっきり強くボタンを押さないと券売機が反応しないのだ)
 
 
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きれいなMRTの駅
 

 アラブ街の最寄り駅である、Bugisに到着。外へ出て歩き始めると、おお!確かに中東の雰囲気。女性は皆スカーフで頭を覆い、肌や体の線を見せない格好をしている。さっそく周辺を散策して歩きたかったが、ちょうどお昼時だったので、まずはご飯を食べることにした。店頭に中東風ランチセットの看板が出ていた「House of Briyani(ハウス・オブ・ブリヤニー)」というお店に入ってみることにした。
 
 
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 インド、パキスタン、アフガニスタンの3種類の米の中から好きなものを選び、ショーケースの中に入ったおかず(チキン、ビーフなど)を1品選ぶ。注文の仕方がわからなくてあたふたしてしまったが、なんとか済んで席に着く。私はアフガニスタンの米と、チキンの煮込みを頼んだ。席からは、通りの様子が見えて楽しい。しばらくしてウェイターさんがドリンクの注文を聞きに来てくれたので、マンゴージュースを頼んだ。
 
 
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これで約650円(ドリンク含む)
 
 
 ピラフとチキンの煮込み、付け合わせの野菜がセットになったプレートが運ばれてきた。量の多さに圧倒される。特にライス。味はとってもおいしかった。フォークとスプーンで食べるのが変な感じで、ちょっと戸惑った。フォークとナイフではないのか…?
 
 
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すごく細長い、アフガニスタンの米
 
 
 食べ終えてレジで会計をしていると、スタッフの兄ちゃんと、そのお父さんとおぼしき爺ちゃんがいて、「どこから来たの?」と話しかけられた。「日本です」と答えると、「いま、君が食べたのはブリヤニーという料理なんだよ」と教えてくれた。後で調べたところ、ブリヤニー(ビリヤニ)というのは中東が発祥のピラフのようだ。こうして旅先で話しかけられるのは、一人旅ならではの醍醐味だなあと思う。
 
 
 お腹もふくれたところで、アラブ街の見学に繰り出す。通りにはアラブ女性が着るような服や布を売る店が軒を連ねていて、カラフルだった。ほかに、かごや民芸品などの雑貨店や、じゅうたんのお店などもあった。
 
 
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 アラブ街には、シンガポール最大のモスクである「サルタン・モスク」がある。ちょうどタイミングよく、あと15分ほど待てば観光客が見学できる時間になるところだったので、周辺をブラブラしながら待つことにした。
 
 
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サルタン・モスク
 
 
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アラブ街から1本入った路地
 
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モスク敷地内の女性用トイレはスカーフ着用のマーク!
 
 
 ようやく見学時間になったので、ほかの観光客に続いて私も中へ入る。男女問わず、タンクトップや半ズボンなど肌の露出が激しい人は、受付でガウンを借りて着用する。半袖カットソーと長ズボンを着ていた私は、受付の人に「君はOK」と言われた。つまり私は、人々の欲望をそそる対象ではないということですね。知ってたけど。
 

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ガウン着用の人々
 
 
 中に入ると、すぐ目の前に大きな礼拝堂がある。何人か、お祈りしている人もいた。礼拝堂の手前には赤いじゅうたんが敷かれていて、信者以外はじゅうたんの上に上がってはいけないことになっている。壁には時計が2つ。1つはシンガポールの時間、もう1つはメッカの時間を指している。
 
 
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 赤じゅうたんの上には、信者の人たちが大勢いた。しばらくすると、みんなが大きな輪になって座り始めた。何かの宗教行事が始まるのだろうか?
 
 
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 何が起こるのかと観察していると、輪の中央に、なにか貢ぎ物のような品が置かれていることに気付いた。ハイヒールの靴やブランドバッグ、ANNA SUIの香水などがきれいな箱に入れて並べられている。あれ、これってもしかして結納のようなものなのでは? ってことは、もしかしてもしかすると、ムスリムの結婚式がこれから始まるの?
 
 
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新郎から新婦への贈り物。このほかに、新婦から新郎への贈り物もあった
 
 
 タイミングのよさに感謝しつつ、結婚式のようすを一部始終、見守ってしまった。新郎と新婦は並んで座るのではなく、輪のこちらとあちらで対面する形で離れて座っていた。新郎の側には、長老らしき人々。関係者が結婚誓約書のようなものにサインした後、長老によってお祈りの言葉、あるいは結婚誓約の言葉が唱えられ、2人は晴れて夫婦になったようだった。
 
 
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 私を含め多くの観光客が結婚式を見学していたが、その中に、ムスリムのおばちゃんもいた。彼女は私と、並んで見学していたドイツ人女性に話しかけてくれて、ムスリムの結婚式についていろいろ教えてくれた。この誓約式は結婚行事の中でもっとも大切なものなのだという。後日、改めてお披露目パーティーが開かれるそうだが、その規模がすごい。ゲストが200人に達するのは普通で、多いときには1000人のゲストが集まることもあるのだそうだ。1000人て。
 
 
 ちなみにこのおばちゃんは、新郎新婦の親せきの一人だという。私はせっかく知り合えた記念にと、「一緒に写真を撮ってくれませんか?」とおばちゃんに頼んでみた。おばちゃんは快く応じてくれて、私は「ありがとう!」とお礼を言ってムスクを去るはず……だった。
 
 
 ところが! おばちゃんが私のところへやって来て、「こっちへ来て一緒に写真に写りましょう」と言っている。何ごとかとついていってみると、なんと、新郎新婦と親族が一緒に写る家族写真に、あなたも一緒に入りなさい、と誘ってくれているのだ。いや、めっちゃ面白い展開だけど、それ、部外者である私が入っちゃダメなんじゃ…? しかも、信者でもないのに赤じゅうたんを踏んでいいものなのだろうか!? 考える間もなく、おばちゃんに連れられて本当に家族写真に収まってしまった。
 
 
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 皆がムスリムの正装を身にまとう中、わたし一人だけが平服、というより近所のコンビニに行くような適当な格好をしていたので平服以下だ(写真右)。しかもテンションが上がって一人だけ妙に体を傾け、ヘラヘラと怪しげな笑みを浮かべていて、新郎新婦に申し訳ないことこの上ない。
 

 写真を撮り終えた後、新郎新婦に向かって「おめでとう!」と声をかけた。「ありがとう」と答えながらも、私に向かって「こいつ誰…?」と不審そうなまなざしを向ける2人。そりゃそうである。考えてみれば、私が誰なのかは、例のおばちゃん一人しか知らない。つまり、この記念写真が仕上がって、おばちゃんがいないときに見てみたら、やっぱり「こいつ誰…?」となるに違いないのだ。
 

 人生最良の日、身内だけの大切な記念写真に、正体不明の東洋人が写っている。将来、2人に子どもが産まれて、その子が大きくなったときにも「ねぇねぇ、パパとママが結婚したときの写真見せてー! ……あれ、この右端に写っている東洋人は誰?」と質問されるかもしれない。その謎は末代まで語り継がれるのだろう。本当にごめん。
 
 
 でもめっちゃ楽しかった!
 
 


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2009 シンガポール・マレーシア」カテゴリの記事

コメント

はじめまして!
「ムスリム 結婚式」で画像検索を昨夜していたら、poco pomさんのこちらの記事に辿り着きました。
面白過ぎて、「猫」のページも見たら、そちらもまた面白かったです。

猫と、外国に興味ある既婚女性より。

投稿: 猫田ねこ | 2009年10月 5日 (月) 21時19分

コメントありがとうございます!
ムスリムの記事、楽しんでいただけてよかったです(笑)。
飛び入りで写真参加した甲斐がありました。
猫の記事も、また時々アップしようと思います〜!

投稿: ayacco | 2009年10月 7日 (水) 14時47分

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