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香港1日め・前半

 5泊6日、香港・マカオの旅に行ってきた。海外はだいたいいつも一人旅だが、今回は珍しく夫と一緒である(新婚旅行以来2年ぶり)。
 

 実は、航空券はすでに2月下旬に予約していた。その時はあれやこれやと仕事を抱えていて大わらわで、でもあと3か月もすれば仕事から解放されているはず! ……と、自分的にベストなタイミングで予約したつもりだったのだが、結局、ふたを開けてみればまた別の仕事をあれやこれやと抱えて大わらわになっていて、出発前日の夜中12時を過ぎても仕事が終わらないどころか荷造りするヒマさえなかった。とりあえずきりのいいところまで作業を終わらせて、午前5時の集荷に間に合うように宅急便を出して、荷造りをしてシャワーを浴びて、6時半には家を出て……と、出発までのタイムスケジュールを考えるにつけ、焦りばかりがつのった。
 

 そんなふうに、気持ちにまったく余裕がない中で夫・ピロシがこう言い放ったのである。

 

 「おれ、銀行の口座に残り3000円しかないんだけど、家の口座から金を貸してくれないかな……?」
 

 ここで私が激怒してはならない理由がいったいどこにあろうか(いや、ない)。だいたい、ヤツは「手持ちが3000円しかない」ではなく、「銀行の残高が3000円しかない」と言っているのだ。ゼロが1つどころか、3つぐらい足りない気がする。やっぱり私は貧乏くじをひいてしまったのだろうか。いろいろな思いが去来する。
 

 そんなわけで仕事で追い詰められていたこと、朝まで一睡もできなかったこと、出がけに金のことで大げんかしたことが重なって、2人とも成田に着くまで無言のままだった。楽しいはずの旅行がなぜこんなことに……。
 

 でもまあ、いざ飛行機が離陸したら何となくいろんなことがうやむやになって、暗黙のうちに休戦協定がかわされた。ようやく海外旅行ムードが盛り上がってまいりましたよ。
 

 ところで、ご存知ない方のために簡単に説明しますと、ピロシは大変なビビリなんである。日本にいる時でさえ、レストランの店員さんに何か尋ねたり、知らない場所に出かけて行ったりすることに相当な勇気を要する。いわんや海外においてをや。新婚旅行で台湾に行ったときには、ちょっと買い物をしたり、バスに乗ったりするだけでもいちいちビビっているので大変であった。しかし去年は社員旅行でマレーシアにも行ったようだし、少しは免疫がついているかもしれない。
 

 ……と、多少期待していたのだが、行きの飛行機(ANA)の中からすでに生来のビビリっぷりを発揮していたので、だめだこりゃ(by 勝間和代)と思った。だって機内食を食べながら、私の食べ方を何度もチラチラ見るんですよ。機内食に食べ方の決まりとかないから、落ち着いて食え!
 

 やがて、機内食に並んだいくつかの皿のうち、ひとつの小さな皿に目がとまったピロシ。皿を持ち上げて顔を近づけ、右から、左から、まじまじと見つめる。そしてこう言った。
 
 
 「こっ、これは……ソバや! ソバやで!」
 

 いいなあ、こいつはソバくらいで感動できて……と、ちょっとうらやましく思った。
 
 
 機内食を食べた後は2人とも爆睡してしまい、いつの間にか香港に着いていた。入国審査の前に、空港内のトイレに立ち寄った。トイレを出て、通路で私を待っていたピロシに近づくと、何やら小声でぶつぶつ言っている。

 

 「サイトスィーイング……」

 

 どうやら入国審査の練習に余念がないようであった。
 
 

 

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2010 香港」カテゴリの記事

コメント

香港に行ってきたんですね。
旦那さんをビビリ呼ばわりするところは、見てて笑いました(*^m^)

投稿: ショウ | 2010年5月29日 (土) 00時39分

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